内水面漁連
あいさつ
本会は、2016(平成28)年3月に、設立60周年を迎えることが出来ました。会員はじめ、行政、漁業団体など、関係の皆様方のご協力ご指導の賜物であり心より感謝申し上げます。
設立された1956(昭和31)年は、経済白書に「もはや戦後ではない」と記された年で、戦後の復興から発展へと転換し始めた時代でした。
内水面漁業制度も戦後に再編整備され、内水面漁業関係者は、農山村において動物性たんぱく質を供給するとともに、アユ種苗の放流などによる資源増殖や漁場の環境保全に取組み、遊漁者へも漁場を開放し、多くの人々が利用し楽しめる河川空間を守り育ててきましたが、経済成長に伴い、都市開発、ダム建設などによる非自然型の河川構造への変更が推進されるとともに、水質も廃水や濁水の増加により悪化しました。更に、魚病の発生や有害魚鳥類による食害も加わって漁獲が大幅に減少してしまったことはこれまでの記念誌にも記録したところです。
少子高齢化と人口減少は、日本の社会全体に深刻な影響を与えていますが、生活スタイルやレクレーションの変化も川離れを促し、この10年間で広島県の内水面漁協組合員は4割、遊漁は5割も減少してしまいました。
しかしながら、この10年の間には、このような現状を打開する取組み、動きがありました。カワウ・外来魚については内水面漁協が被害防除の事業を開始し、カワウ広域対策の推進に中国ブロックで取組みました。また,病気に強いアユ種苗の導入や環境保全の啓発活動として植樹祭を継続実施し,会員組合においては様々な親水イベントを各地域において実施しています。さらには,2014(平成26)年に内水面漁業の振興に関する法律が制定され、関係者の念願であった、内水面漁業の振興に向けた国レベルの心強い後ろ盾が出来ました。
川は、これまで様々な人々、地域の生活とともにありました。川はこれからも私たちとともにある存在です。川づくりはまちづくりであるとの視点を持ち、様々な活動に取り組んでゆく必要があると考えます。地域に開かれた川作り、川の恵みの利用など、人々の生活とともにある里の川を再生するために、行うべきことはまだまだ沢山あります。
60歳は人であれば還暦で、新たな一歩を踏み出す節目です。本会も、新たな一歩を踏み出す時機であることを自覚し、様々な活動に取組んでまいりますので、関係の皆様方には、一層のご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表理事会長 山 中 幸 男
歴史
年 月 日 | 漁連の動き | 県などの動き |
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昭和30年 10月 5日 | 広島県内水面漁業協同組合連合会設立協議会開催 | |
昭和30年 10月 15日 | 同 設立準備会開催 | |
昭和30年 11月 3日 | 同 設立総会開催 | |
昭和31年 3月 5日 | 広島県内水面漁業協同組合連合会設立登記完了 | |
昭和31年 3月13日 | 第1回通常総会開催。武田文二氏を会長に選任 | |
昭和32年 4月15日 | 第2回通常総会開催。佐々木節吾氏を会長に選任 | |
昭和32年 9月22日 | 佐々木会長辞任により河本一一氏を会長に選任 | |
昭和33年 4月 1日 | 玖島川,田総川,八幡川漁協加入 | |
昭和33年 4月 1日 | 広島県北部淡水魚指導所開設 | |
昭和34年 3月 2日 | 広島県信用漁業協同組合連合会加入。全内漁連加入 | |
昭和34年 4月 1日 | 広島県南部淡水魚指導所開設 | |
昭和37年 | アユ種苗飼育試験開始(南部淡指) | |
昭和39年 1月21日 | 芦田川府中,福山市芦田川漁協加入 | 共同漁業権設定(1種3件,5種29件) |
昭和43年 2月29日 | 定款変更(役員定数) | |
昭和43年 3月31日 | 南部淡水魚指導所廃止,淡水魚指導所に変更 | |
昭和45年 | アユ人工種苗生産成功(水産試験場) | |
昭和47年 7月 | 県北水害被害発生(47.7水害) | |
昭和48年 3月 | 太田川漁協アユ中間育成施設完成 | |
昭和49年 1月 | 共同漁業権切替え(1種3件,5種36件) | |
昭和49年 4月 | アユ人工種苗生産事業開始 | |
昭和49年 | 沼田川漁協アユ中間育成施設完成 | |
昭和50年 8月 | 県水産種苗センター完成(水試内) | |
昭和51年 2月23日 | 定款変更(出資組合,出資金500万円) | |
昭和52年 2月 | 内水面漁業総合振興対策樹立 | |
昭和54年 1月15日 | 河本会長死去により吉岡孝三氏を会長に選任 | |
昭和54年 2月23日 | 第24回通常総会で倍額増資承認 | |
昭和54年 12月30日 | 江の川漁協アユ中間育成施設完成 | |
昭和55年 4月 1日 | 本会事務所を県庁から広島県水産会館に移転 | |
昭和55年 11月 | (社)広島県栽培漁業協会設立 | |
昭和56年 2月 | 広島市水産振興センター発足 | |
昭和57年 1月 | 帝釈峡漁協アユ中間育成施設完成(東部8漁協参加 | 広島県栽培漁業センター開設 |
昭和58年 3月 9日 | 出資金倍額増資完了(出資金1,000万円) | |
昭和58年 8月23日 | 玖島川漁協合併により解散 | |
昭和59年 1月 | 共同漁業権切替え(1種4件,5種40件) | |
昭和59年 4月 1日 | 淡水魚指導所,淡水魚支場と改称 | |
昭和60年 4月 1日 | 河川流域資源活用促進事業(国補)開始 | アユ海面中間育成試験(901kg放流) |
昭和61年 2月26日 | 人工アユ種苗中間育成事業承認(3,090kg配布) | |
昭和61年 10月17日 | 本会設立30周年記念式典挙行 | |
昭和63年 2月26日 | 吉岡氏の会長退任により市岡一志氏を会長に選任 | |
平成 元年 2月 | 児玉秀一氏の顧問退任により鷲尾利三氏に顧問委嘱 | |
平成 2年 7月13日 | 市岡氏の会長退任により平林常夫氏を会長に選任 | |
平成 3年 2月27日 | 定款変更(役員定数減等) | |
平成 3年 9月 5日 | 第34回全国内水面漁業振興大会開催(広島市) | |
平成 4年 2月27日 | 定款変更(模範定款例一部改正) | |
平成 4年 3月 4日 | 平林氏の会長退任により渡康磨氏を会長に選任 | |
平成 6年 1月 | 共同漁業権切替え(1種4件,5種52件) | |
平成 6年 2月18日 | 定款変更(水協法の一部改正) | |
平成 6年 3月10日 | 本郷沼田川漁協加入(会員数22組合) | |
平成 6年 3月 | 沼田川漁協アユ中間育成施設改修 | |
平成 7年 2月27日 | 渡氏の会長退任により大原一人氏を会長に選任 | |
平成 7年 7月25日 | 本会顧問として小島敏文氏を委嘱 | |
平成 8年 2月16日 | 本会設立40周年記念式典挙行 | |
平成 8年 9月18日 | 第3期増資決定(265口) | |
平成 9年 9月25日 | 水産会館新築により新事務所へ移転 | |
平成10年 2月25日 | 大原氏の会長退任により福井隆氏を会長に選任 | |
平成11年 2月25日 | 第4期増資決定(51口) | |
平成11年 3月 | 太田川上流漁協アユ中間育成施設完成 | |
平成13年 | 外来魚駆除緊急対策事業開始 | 淡水魚支場廃止,本場に内水面部設置 |
平成14年 2月26日 | 定款変更(総会選挙制) | |
平成14年 4月12日 | 福井氏の会長退任により大原一人氏を会長に選任 | |
平成15年 2月26日 | 定款変更(役員定数変更 | |
平成15年 9月11日 | 第46回全国内水面漁業振興大会開催(広島市) | |
平成15年 9月24日 | 定款変更(模範定款例一部改正) | |
平成16年 1月 | 共同漁業権切替え(1種4件,5種52件) | |
平成16年 6月 | 外来生物法公布(H17ブラックバス指定) | |
平成17年 3月24日 | 大原会長死去により後藤文好氏を会長に選任 | |
平成17年 4月 | 内水面漁場環境保全啓発活動事業開始 | |
平成17年 5月 | コイヘルペスウイルス病発生(熊野町) | 県立水産海洋技術センター落成 |
平成17年 9月 | 14号台風太田川水害被害発生 | |
平成17年 12月 | 江の川漁業協同組合アユ中間育成施設改修 | |
平成18年 3月24日 | 本会設立50周年式典挙行 | |
平成18年 4月 | 漁場環境再生対策事業(外来魚・カワウ対策など)開始 | |
平成18年 10月28日 | 第1回豊かな森・川・海づくり植樹祭開催 | |
平成19年 3月26日 | 委員会指示(ブラックバスのリリース禁止) | |
平成19年 4月20日 | 定款変更(模範定款例一部改正) | |
平成19年 6月20日 | 国がカワウを狩猟鳥獣に指定 | |
平成20年 2月28日 | 内水面漁連西日本ブロック協議会(広島市) |
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平成20年 3月 | 内水面漁業振興計画を策定 |
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平成21年 | オオカナダモの繁殖による漁業被害の拡大 | |
平成21年 4月23日 | 定款変更(水協法改正に伴う一部改正) |
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平成21年 5月11日 | 山野川漁協解散により脱退(会員数21組合) |
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平成22年 | 沼田川漁協アユ中間育成を中止 | |
平成22年 7月 | 平成22年7月豪雨 | |
平成23年 3月11日 | 東日本大震災 | |
平成23年 9月22日 | 広島県カワウ対策協議会を開催 |
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平成23年 10月28日 | 広域カワウ対策について環境省に要望 |
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平成24年 2月25日 | 灰塚湖遡上鮎活用検討協議会の設立 | |
平成24年 4月 | 後藤氏の退任により辻駒健二氏を会長に選任 |
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平成24年 | 県が人工産鮎の漁獲特性調査を開始 | |
平成25年 5月 | 中国ブロック内水面漁協によるカワウ一斉対策の実施 |
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平成25年 6月 5日 | 広島県水産多面的機能発揮対策協議会の設立 |
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平成25年 8月29日 | 広島県カワウ対策協議会を開催 | |
平成26年 | 県がカワウ生息状況調査を開始 | |
平成26年 1月 1日 | 共同漁業権切替(1種4件、5種50件) | |
平成26年 3月 5日 | 太田川水系カワウ対策協議会設立 | |
平成26年 4月 | 全国の内水面漁協によるカワウ一斉対策の実施 |
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平成26年 6月27日 | 内水面漁業の振興に関する法律の制定 | |
平成26年 10月15日 | 振興法に基づく国の基本方針の制定 | |
平成27年 8月 | 中国四国カワウ広域管理指針の策定 |